1974 埼玉県生まれ
1999 東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻卒業
埼玉、東京を中心に個展、グループ展多数
2010年は6月に西武池袋本店で個展、12月に平野古陶軒（京橋）で個展を開催
精緻でダイナミック、古典を咀嚼したコンテンポラリーアート
コンテンポラリーアーティスト 藤田勇哉さん
- Photographs by Kai Kiuchi
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藤田勇哉公式サイト
http://www6.ocn.ne.jp/%7ebigpig/
Q.藤田さんの絵は緻密でダイナミックですね。
A.決して細かく書こうとは思っていないのですが、子供のころから絵を書くことが好きでほめられて、今に至った感じです。
Q.どんな子供時代でしたか？
A.ゴレンジャーが好きで、オリジナルゴレンジャーを描いたり、ビルを描いて、そのなかに住む動物を描いたりしていました。中学、高校時代は、普通の大学に行くつもりでしたが、高３の時「美大に行こう！」と思いつき、ベビーブーム世代なので、２浪の末、油絵科に入学しました。
Q.どんな指導を受けましたか？
A.絵の描き方を教えてくれるイメージとは違い、お好きにどうぞという感じでしたが、定期的に公表会があり、教授に翻弄されて今の具象的な作風でなく、形をデフォルマしたり、当時は具象画といのは虐げられていて抽象画が主流、写真をかじってみたり、試行錯誤を続けました。
Q.卒業後はどうなりましたか？
A.２年ぐらい経ってからですが、冷静に自分を客観視して、長く絵を描きたいと思い、原点に戻りました。それで、鉛筆で今の作品に至るようなもの（具象画）を描き始めました。それが、悩みながらチャレンジした鉛筆で描いたブドウと油絵だったかと思います。
Q.今の作風は難関なコンテンポラリーというより、わかりやすい具象画ですね？
A.絵を描くときに、制作の助けとして写真を撮ることもあり、印刷された（図録）のことなども考えて製作しています。ブドウを描いてほめられたことが原点ですが、近年１〜２年で創作活動だけで収入を得られるようになったことは、作品のクオリティ同様、プロフェッショナルな条件だと思っています。アプローチとしては、昔の人は農園でもぎとった野菜や果物を食べていたと思いますが、私の場合今の子供が泳いでいる魚の形を知らないように、スーパーで置かれている野菜や果物という今の時代の見え方があるような気がして、そこが、私にとってのコンテンポラリーだと思っています。
Q.藤田さんが創作の刺激を受けることと、どんな一日を過ごしていますか？
A.読書でしょうか？
朝７時に起きて８時半ごろからお昼まで絵を描いて、それから夜１０時ぐらいまで絵ばかり描いていて、やっている自分としては「思い描いているものが描けるか否か、そして時間との戦い」です。ですが描いていて集中できるのが２時間ぐらいなので、合い間に本を読むようにしています。
Q.どんな本がお好きですか？
A.日本文学で言えば、太宰治、夏目漱石、三島由紀夫などの亡くなった作家の作品、そして現代の若い人の作品も良く読みます。美術関係の本で言えば、「フェルメールの贋作事件」を読みました。
Q.藤田さんが影響を受けたアーティストは？
A.フェルメールと早描きの達人といわれるフランツバルスです。近くでみると荒々しいのですが遠くでみるとリアルな絵なのです。
Q.スランプはありますか？
A.「締め切りまでに間に合う作品が創れるか？」と思うことはありますが、もっと想像を大きくして将来はもっと大きなことができるとポジティブに思っています。かつてはできないこと、自分の範疇にないことに挑戦するようなことばかり考えていましたが、自分ができることが見えてきました。
今はアーティスト活動が始まったばかりなので、スランプは感じません。
Q.期近な活動について、そしてこれからやってみたいことについて？
A.４月のアートフェア東京に出す作品として５０号のブドウ、そして、鉛筆画のブロッコリーという力作を書いています。今後やってみたいコラボとしては、食べ物関係の場所に自作を飾っていただくこと、そして、とてつもない大きな絵や、細長い絵を描いてみたいです。
Q.藤田さんにとってのEVERLASTINGとはなんですか？
A.子孫を残したいと思います。そういう人が自分の作品を大事にしてくれるかもしれないし、自分と関係する人が残ってくれる、それが永遠につづくものだと思います。
ありがとうございました。
